close

"  「気安く呼ぶな」

まず手始めに、一刀両断される。
肩を掴む手の、力が強まった。

「……じゃあ、エトランセ」
「軽々しく呼ぶなと言ってる。平民如きに言い放たれる名ではない!」

 膀胱癌治療香港 2020 ほー、と、取り敢えず納得する。
学園に入ってから、初めてある意味「貴族らしい」発言を聞いた。

俺はこういう「家のプライド」とやらに寄り掛かってただ威張る奴がそれほど嫌いじゃない。
しかし名前も家名も駄目なら、なんて呼べと。
あだ名でも付けるか?

「……用ってそれ?」

変わらず首だけをエルマに向けて話しているので、少し首が痛くなってきた。
用がそれだけならさっさとハルの部屋へ行こうと、用件を聞く。
エルマの怒りボルテージが跳ね上がった。

「殿下だけではなく、この俺にもその態度……!貴様の頭に礼儀というものはないのか!!」

エルマの怒りボルテージと共に、エルマの中の魔力が蠢く。

俺はこれに関してはかなり冷ややかに、エルマを見た。
エルマと向かい合うように、体の向きを直す。

「……魔力」
「漸くまともにこちらを見たかと思えば、なんだそれは」
「感情と魔力は切り離せよ、エルマ・エトランセ。危ないぞ」

見下している平民に平然と命令されたエルマは、当然の帰結として更に無意識の魔力を練り上げる。

学園内では魔法は禁止。
寮も然り。
このままじゃ不味いなあと思いながらも、口調を直す気は欠片もなかった。

巻き込まれて怒られるのは嫌だが、コレを宥めてやるほど俺は優しくない。敏感肌
大体俺が無駄に偉そうな奴を嫌いではない理由は、「その愚かなプライドを粉々に叩き潰し、本気で悲嘆に暮れる様を眺めるのはなかなかに爽快だから」だし。

俺は体の向きを半回転させたことで腕から滑りそうになった生姜を抱え直し、更に口を開く。
怒り心頭のエルマと野菜と肉を抱えて飄々とした俺。
かなりミスマッチだが、まあ気にしない。

「言っとくけど、俺はハルに失礼な態度なんて取ったことないぞ」
「殿下の名をそう軽々しく呼ぶ時点で失礼にも程があると言ってる!本来なら言葉すら交わせないゴミ程度の存在のくせに、分を弁えろ」

ハルは「ハル」を気に入ってるみたいだったが、それはエルマには「侮辱している」と見えるらしい。
もしエルマがハルの側近とかで、本気でハルが「軽々しく扱われる」ことに怒っていたのなら、俺は楽しく笑ってからかっただろう。"

arrow
arrow
    全站熱搜

    annabell9093 發表在 痞客邦 留言(0) 人氣()