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「3万?!すげぇじゃねぇか!」「…お、おぉ。」隆行は、たっつんの出世に素直な賞賛を送るが、たっつんは素直に喜ばない。様子に疑「何か問題でもあるのか?」隆行は、そんなたっつんの様子に疑問を口にした。「あぁ。官軍がな。中国の官軍から目を付けられてるみてぇなんだよ。俺らは海賊だからな。」たっつんは目下の心配点を隆行に語り出した。「官軍なんかに攻められたら、いくら3万いようがひとたまりもねぇ。今はまだ義父の残党が引きつけてくれてるけど、今後の事を真剣に考えねぇと、と思ってな。」「そぅかぁ…。中国の方も大変なんだなぁ…。」隆行は、そんな言葉を返しながら、たっつんの手荷物の方に視線を移した。たっつんの隣には、小包のような物が意味ありげに置かれていたのである。たっつんは、その隆行の視線に気が付くと、「あ。そうそう。忘れるところだった。これ、強面丸の礼と、中国の土産だ。」と隆行に渡した。「バカ。んな気を使わなくても良いよ。」と言いながら受け取った隆行が、その小包の中を開けると、ビッシリと金銀が詰まっており、隙間には中国茶が包まれていた。「お、おぃ!こんなもん受け取れねぇよ!」隆行が反射的に戻そうとするが、「俺も何時までもお前に借りを作っておきたくねぇ。借りた金の返済ぐらいさせてくれ。」と、返却を許さなかった。

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